七夕と竹
コロナ対策のため、阿佐ヶ谷の七夕祭りは中止になりましたが、荻窪駅を通ると、構内に立てられた竹に願い事の書かれた短冊がたくさんつるされていました。
「希望の学校に入れますように」「母の病気が治りますように」「クリスマスまでに彼氏ができますように」。なかには「ドクターになりたい」と英語で書かれたものや、「○○のライブにいけますように」というコロナの自粛が影を落とす短冊もありました。「現状維持」と漢字四文字で書かれた短冊には、コロナが終息するまでなんとか持ちこたえたい、という経営者の切実な願いが込められているようです。
ところで、これらの短冊がつるされているのは竹のように見えますが、同様「七夕さま」には「笹の葉さらさら/軒端(のきば)に揺れる」と歌われています。竹ではなく笹を用いるのが正式なのかと、ちょっときになりますが、そもそも竹と笹の違いはどこにあるのでしょう。調べてみると、茎が成長すろときに脱皮するのが竹で、枯れるまで皮が残るのが笹。それ以外に両者に違いはなく、パンダはどちらも食べるようです。
竹と云えば、しばらく前まで荻窪でも竹藪を見かけたものですが、その昔、武蔵野の農家では敷地に竹を植え、春はタケノコを堀り、夏は七夕の竹を切って江戸の町に売りに行っていたようです。
ところで、インドではコロナの交通規制で車が減ったため、空気が澄んでヒマラヤの山が見えたといいます。日本でも東京で天の川が見えたらいいですね。
文化厚生部 松井和男