生垣

 かつて荻窪の景観の重要な要素を占めていた生垣。その生垣に多く用いられたのはカラタチでした。童謡「からたちの花」は「からたちの花が咲いたよ」とはじまりますが、二番では「からたちのとげはいたいよ」、そして三番では「からたちは畑の生垣よ」と歌われており、カラタチの鋭い刺が人や動物の侵入を防ぐことから畑の垣根に使われていたことが分かります。カラタチの生垣は麦畑や大根畑が宅地に変わっていった荻窪の歴史の証でもあったのです。写真は、筆者が撮った荻窪に残る貴重な生垣です。

文化厚生部 松井和男